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明日に向って寝て!

映画とか、本とか、アイドルとか、旅行とか。基本的にネタバレします。

ザ・ウォーク

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原題:The Walk
監督:ロバート・ゼメキス
製作年:2015
製作国:アメリカ

あらすじとかキャストとか

1978年、フランス人の大道芸人フィリップ・プティがワールドトレードセンターのツインタワーの間にワイヤーを張り、その上で綱渡りをした実話ベースの映画。
ワールドトレードセンターで綱渡りするなんて当然違法なわけで、中盤ではどうやってビルに潜入し、ワイヤーを張るかという、スパイ映画のような潜入作戦でワクワクさせてくれる。

主人公のフィリップ・プティにジョゼフ・ゴードン=レヴィット。フランス人を演じるにあたって得意のフランス語を披露。英語を話す時もフランス訛り。ものすごくマッシヴというわけではないけど引き締まった裸体も披露してくれる。
フィリップの恋人アニーにはシャルロット・ルボン。目がくりっとしてて可愛らしい、カナダの俳優。
フィリップに綱渡りの技術を伝授する師匠にベン・キングズレー。代表的なのは『ガンジー』なんだけども最近は『アイアンマン3』のマンダリンの印象が強い。ジョゼフはバットマンのロビンだし、やっぱり石を投げたらアメコミ俳優に当たるハリウッド。
ツインタワーにワイヤーをかける手伝いをする仲間にはクレマン・シボニー、ジェームズ・バッジ・デール、ベン・シュワルツ。
ベン・シュワルツはなんと、『スターウォーズ フォースの覚醒』でBB-8の声を演じている。

実はこの話、前に『マン・オン・ワイヤー』というタイトルで映画化されいて、アカデミー賞も取ってる。
ただ、その映画は当時の関係者のインタビューと再現映像を使ったドキュメンタリー映画であり、今回の『ザ・ウォーク』は全編俳優が演じている劇映画。
なんでわざわざ一度映画化されてアカデミー賞まで取ってる話を今回また映画化したのか。
一つは実際にプティが綱渡りしている映像がほとんど存在しないから。当時、警察が押し寄せてしまい、仲間のカメラマンが撮影することができなかったらしい。
だからその綱渡りのシーンを見せようというのが意図の一つ。

3D表現の進化

日本では『アバター』で一気に火がついた3D映画。今じゃ3D上映してないシネコンを探す方が難しいんじゃないだろうか。
俺が初めて3Dで観たのはディズニーアニメ映画の『ボルト』で、かなり楽しんだ記憶がある。新しい表現方法にワクワクした。
ただ、そのあと『アバター』を見て思った、3Dという表現に対する評価は「なるほど3Dになって可能になった表現はあるけど、逆に難しくなった表現ってのもあるんだな、特に実写だと難しいんじゃないか。。。」というもの。
実際のところ、『アバター』以降しばらくはしょぼい3D効果の映画が乱発し、3D映画は倦厭されがちだった。料金高いし、メガネ重いし、画面暗くなるし。
しかし、その後の改良でメガネは軒並み軽くなり、画面も見やすくなった。料金は高いままだけど。
そして、表現する側も3D表現というものを最大限に生かせるようになってきたのが去年あたりからじゃないんだろうか。

『ザ・ウォーク』はまさに3D表現を最大限に生かした映画だ。
3Dによる奥行き表現で、見上げたビルの高さや、ビルの屋上から見下ろした地面の遠さがものすごくリアルに表現される。
しっかりと床に固定された椅子に座ってるはずなのに足がすくむ思い!
もちろん、奥行き表現だけじゃなくて、飛び出してくる表現も。あるものがこちらに飛び出してくるシーンではおもわず顔を避けてしまった。客席からも驚きの声が漏れていた。
これはロバート・ゼミキスが一時期CGアニメ映画ばかり撮ってた時に培ったCG技術の賜物だし、3D表現が成熟した今でこその映画と言えるだろう。
これが、映画化の理由の二つ目。

理由なんてない

なんで命の危険を冒してまでこんなことにチャレンジするかと聞かれたフィリップは答える。
「理由なんてない」
きっと彼にとってはそれは”生きること”そのものだったのではないだろうか。
理由なんかない、一歩間違えれば死ぬかもしれない。でもやるしかない。やる価値はある。
これって、何かと同じじゃないだろうか。そう、俺たちの”人生”と。

綱渡りを終えたフィリップは逮捕されるものの賞賛を浴び、気が利いた判決を受ける。
そして、釈放された彼は期限欄に”永遠”と書かれたワールドトレードセンターの展望台への入場チケットを贈られる。
けれども、2001年9月11日以降、そのチケットは使えなくなってしまった。
とても悲しい事実を思い出させながらも、悲しいどころかとても晴れやかな気分で終幕するこの映画はワールドトレードセンターへの鎮魂歌であると同時に前向きな決意の映画でもあるのだ。
これもまた映画化した理由だろう。

『マン・オン・ワイヤー』内で仲間の一人が語る。
「確かに犯罪行為だけども、卑劣な行為じゃない。むしろ人に夢を与えた」

参考リンク

【映画】マン・オン・ワイヤー|MAN ON WIRE|2008年度アカデミー賞最優秀ドキュメンタリー賞受賞作品

町山智浩 映画『ザ・ウォーク』を語る

How Ben Schwartz Became the Voice of BB-8 in 'Star Wars: The Force Awakens' | GQ