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明日に向って寝て!

映画とか、本とか、アイドルとか、旅行とか。基本的にネタバレします。

『テラフォーマーズ』-だだスベリのギャグに凍りつく劇場。ルックとしては悪くないんじゃない!?

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監督:三池崇史
制作年:2016年
制作国:日本

あらすじ

2599年、人口増加による貧富の差が激しくなる日本では、新たな居住地開拓のために「火星地球化(テラフォーミング)計画」が始まっていた。しかし、火星の気温を上げるためにコケとともに放たれたゴキブリが異常進化してしまう。そのゴキブリたちを駆除するため、15人の日本人が火星に送り込まれるが……。(映画.comより)

炎上騒動

本作は上映前からネットで炎上騒動があり、やたらと話題になってました。
公開された予告編が不評でちょっと騒ぎに。
その後試写会を観た人たちの感想が酷評揃いでまた騒ぎに。
きわめつけは前田有一映画公開前にアップした感想。これがかなりの酷評で、ネット上では氏が以前同じく酷評した『デビルマン』と比較したコメントとともに炎上。

個人的にはこの騒動にはかなりゲンナリしてまして。
評判が悪いって共通項だけを抽出して、今更10年以上も前の映画引っ張り出してきて騒ぎ立てるのは至極ナンセンス
そこにロジックは一切見えてこないし、デビルマンって言えば面白いと思ってるのがなんともおサムい。

あと、漫画の実写化した時おきまりの「原作と違う」って批判もいい加減ナンセンスですよね。。。

なので、面白くありますようにって期待して見に行きました。
実際見たら全然面白かったぜ!?って反論できたらいいなーって思ってました。

好きなところ

で、観てみたら何というか。。。基本的にはつまらないんだけども、そこまで極端にダメ映画かと言われるとそうでもないという微妙なニュアンス。
ツッコミどころは満載なんですが、三池監督映画にいちいちツッコむのも野暮ってもんなんで、大まかに好きだったところと嫌いなことろを列挙する形で感想としたいと思います。

特撮っぽい容姿

各キャラクターの変身後のビジュアルは特撮感が出てて結構好きでした。
予算の問題とかあってCGじゃハリウッドにはどうやっても敵わないってことは自明なので特撮方向に舵を切るのは間違いじゃないと思います。
去年の『進撃の巨人』もドラマ部分はアレでしたが、特撮シーンは100点満点でさいっこうでしたし。

女優陣の頑張り

まず見ててキタ!と思ったのがマリコ様と太田莉菜がテラフォーマーの体液でグチョグチョになった瞬間!あのシーンだけで白飯5杯はいけるんじゃないでしょうか。
あのシーンが良すぎて直前の「マリコ様、やっぱり演技が。。。」とか「このシチュエーションで光学迷彩ってなんの役に立つの?」って疑問も吹っ飛びます。
しかも後半には同じく体液でグチョグチョになった菊地凛子嬢の御姿まで拝めるんですから御の字です。

あと、がんばってたのは小池栄子
変身後の髪型がまさかのツインテール!そんなところ原作を忠実に再現しなくてもいいのに!
先に挙げた3人の粘液まみれ姿と、小池栄子ツインテールが見れただけで料金分の満足感はありました。

山P

男性陣で良かったのは加藤雅也山下智久
加藤雅也演じる武藤艦長が囮になってガシガシ戦うシーンは単純にアクションとして面白かったと思います。

山Pの奮闘がある意味一番良かった点かもしれません。
登場するなりロボット演技で英語を話し始めた時はどうしようかと思いましたが、ちゃんとそれが後半の演技との対比になってるってことに気づいてからは一転高評価!
つまり、最初は人間の見た目だけども感情は虫のように欠落してて、クライマックスで虫の姿になってからは感情を取り戻して中身は人間に戻っていくっていう対比が効いてたと思います。
虫になってから人間性を取り戻すっていう演技がアツかったです。

嫌いなところ

テンポの悪さ

とにかく全編通してテンポが悪いと感じました。
ところどころに入る虫の解説やだだスベリのギャグが話のテンポをいちいちぶつ切りにするのもそうなんですが、とにかく会話シーンのテンポが悪い
会話シーンになると急に映画が停滞し始めてしまい、正直眠くなってしまいました。
緊迫した状況のはずなのに登場人物たちが棒立ちでダラダラダラダラ話してるだけのシーンのせいで緊張感が全くありませんでした。

あの会話の間、テラフォーマー達は待っててくれたってコトなんでしょうか。。。

怖くない

進化してしまったゴキブリ、テラフォーマーの外見が怖くないというのはまぁある程度慮ることはできるんです。
全年齢対象の映画にしたかったんでしょう、と。事実、私が見た回は小中学生の観客が多かったように感じました。
あんまりグロくないってのも同じ理由からでしょう。

じゃあ何が不満かって、原作にある"絶望感"が圧倒的に不足してることなんです。
原作では日常的な雰囲気の中、登場人物がすごく簡単に次々と殺されていき、なんとか臨戦態勢になってもどんどん殺されてしまうという感じに順を追ってテラフォーマーの強さが提示されていくのですごく怖いし、絶望感が強いんです。
けれども映画では割と初めからバトルもののノリなのに、登場人物が簡単に次々と死ぬってところは再現してるのでものすごい出オチ感なんです。

この辺の演出がちゃんとできてないから怖くないし、緊張感が持続しないんじゃないかと思いました。

CGが雑

大量のテラフォーマーが押し寄せるシーンのCGの雑さ加減にがっかりしました。
ワールド・ウォーZ』という映画で超大群のゾンビが大きな一塊の物体に見えるって描写がすごく好きだったんです。ゾンビ粒子描写とでもいいましょうか。
今回の『テラフォーマーズ』でもそれが見れるんじゃないか!?と期待させる描写があるんですが、実際にはかなり雑なCGでした。

例えば大量のテラフォーマーが宇宙艦に攻めてくるというシーン。
テラフォーマーとテラフォーマーが重なりあいながらも宇宙艦をよじ登ってくるんですが、その重なり方が単純にCGモデルをスタンプみたいに重ね貼りしただけ。
少し下にいるやつの肩に足をかけてるとかいう描写もなし。

ゴキブリ津波の全体像も失笑ものでしたね。。。

総括

最初に述べた通り、基本的にはつまらないんだけども、そこまで極端にダメ映画かと言われるとそうでもないという感じでしょうか。
伝わってくるメッセージがひどいとか、透けて見える作り手の精神性が嫌いとかそういう類の映画ではないし、いいところはちゃんとあると思います。
同時に問題点も多いのですが。。。

私の席の近くに座ってた小学生が、観終わった後に「ちょーおもしろかった」「あそこがかっこよかった」とワイワイ騒いでたので、それでもうなんか満足といいいますか。
私もネットの評判がどうとか制作や配給の大人の事情がどうとか、そういうの関係なしにあの子達みたいに純粋に映画を楽しもうって思えたのが最大の収穫でした。